言語聴覚士は、1999年に行われた第1回言語聴覚士国家試験で4,003人の合格者を出して以降も毎年増え続け、2021年には36,255人となりました。しかし、同じようにリハビリ専門職である理学療法士は約190,000人、作業療法士は約70,000人もの有資格者がいることを考えると、まだまだ少ないといえるでしょう。
日本社会の高齢化は懸念されている問題です。高齢者が増えるということは、摂食や嚥下、発声や発語、コミュニケーションなどに障害を抱える人が増えることに繋がり、リハビリの需要が高まっていくことが想定されます。
つまり、リハビリのエキスパートである言語聴覚士の需要も増えていくと予想され、まだまだ人数が少ないことから就職や転職に有利な資格となるでしょう。その点から、たいへん将来性が高い職業だといえます。実際、一般社団法人日本言語聴覚士協会に在籍する会員19,166人の内、常勤として就職している人の割合は79%になります。非常勤として就職している人も含めると約85%にもなり、就職率の高さがよく分かります。
将来性があると考えられる言語聴覚士ですが、今後有資格者が増えていけば、就職や転職をより有利にするために、さらに新しい知識や技術を身につけたり、専門性を高めたりといった努力が必要となります。
たとえば、資格取得でいうと、日本言語聴覚士協会が作った認定資格「認定言語聴覚士」の取得がおすすめです。生涯学習プログラムを終了し、認定言語聴覚士講習会を受講して試験に合格することで認定されます。専門知識以外に臨床のマネージメントやサービスの提供についても学ぶことができるため、現場で一層活躍しやすくなるでしょう。